「ポメラニアンを飼うんじゃなかった…」もしあなたが今、そう感じているのなら、その気持ち、とてもよく分かります。
可愛い見た目から飼いやすいと思っていたのに、実際は想像以上に大変ですよね。
鳴り止まない吠える声、うまくいかないトイレのしつけ、そして毎日の留守番への不安。
尽きない悩みに、心が折れそうになることもあるでしょう。
しかし、後悔しないためにどうすれば良いか、一人で抱え込む必要はありません。
この記事では、なぜ「飼うんじゃなかった」と感じてしまうのか、その具体的な理由を一つずつ解き明かしていきます。
そして、ポメラニアンを「飼ってよかった」という喜びに変えるための具体的な対処法を、私の経験も交えながら詳しく解説します。
記事の要点
- ポメラニアンを飼うんじゃなかった5つの瞬間
- 吠える・しつけ・抜け毛などポメラニアンのリアルな悩み
- 後悔を「飼ってよかった」に変える対処法
- これからポメラニアンを飼う人が知るべきこと
ポメラニアンを飼うんじゃなかったと思う5つの瞬間
ポメラニアンは飼いやすい?現実とのギャップ
「ポメラニアンって、賢くて飼いやすいんでしょ?」ペットショップでキラキラした瞳に見つめられたり、SNSで愛らしい姿を見たりすると、誰もがそう思いますよね。
もちろん、ポメラニアンは賢く、飼い主さんへの愛情も深い素晴らしい犬種です。
しかし、その「飼いやすい」というイメージだけでお迎えすると、「こんなはずじゃなかった…」という現実に直面してしまうことがあるのです。
その気持ち、私も犬と長く暮らしてきたのでとてもよくわかります。
後悔の多くは、この「理想」と「現実」のギャップから生まれます。
例えば、多くの飼い主さんが一目惚れするふわふわの毛並み。
これが、毎日部屋中に舞い散る大量の抜け毛に変わったとき、可愛らしさだけでは乗り越えられない現実に気づきます。
また、「賢いからしつけも楽だろう」という期待は、頑固で気分屋な一面にぶつかり、「なんで覚えてくれないの?」という悩みに変わることも少なくありません。
私の犬友さんにも、歴代飼ってきたワンちゃんとは全く違う様子に戸惑った方がいました。
子犬は寝るのが仕事のはずなのに全く寝なかったり、ノンストップで暴れ続けたり…。
これは決して珍しいことではないのです。
大切なのは、「可愛い=手がかからない」という思い込みを一度リセットすること。
「飼うんじゃなかった」と感じるのは、あなたがポメラニアンに真剣に向き合っている証拠なのかもしれませんね。
吠える・無駄吠えの悩みと声の大きさ
ポメラニアンとの暮らしで、多くの飼い主さんが最初に直面する壁が「吠え」の問題ではないでしょうか。
あの小さな体からは想像もつかないほど、ポメラニアンの鳴き声は甲高く、非常によく響きます。
特にマンションやアパートなどの集合住宅では、その声が原因でご近所トラブルに発展しないか、毎日ヒヤヒヤしてしまいますよね。
その理由は、ポメラニアンが持つ強い警戒心にあります。
もともと番犬としての歴史も持つ彼らにとって、インターホンの音や家の前を通る人の気配は、「家族に危険を知らせなきゃ!」というサインなのです。
ワンちゃんにしてみれば、一生懸命お仕事をしてくれているのかもしれません。
しかし、飼い主にとっては、電話に集中できなかったり、来客時に慌てたりと、生活のあらゆる場面でストレスになってしまいます。
実際に、朝早くから吠え続けたり、散歩中にすれ違うものすべてに反応してしまったりして、飼い主さんがノイローゼ寸前になるケースも少なくありません。
理由がわからず、ただただ吠え続ける姿を前に、「何が気に入らないの?」と途方に暮れてしまう気持ち、痛いほどわかります。
この「声」の問題が、「こんなに吠えるなんて…」という後悔の大きな原因の一つになっているのです。
ポメラニアンの大変なトイレトレーニング
「ポメラニアンは頭が良いから、トイレもすぐ覚えるだろう」と思っていましたよね。
私もそうでした。
しかし、現実はそう甘くないことが多いのが、トイレトレーニングの難しいところです。
一度成功したと思っても、次の日にはケージの中がうんちまみれ…なんてことがあると、「またやられた…」と朝からどっと疲れてしまいます。
ポメラニアンのトイレが難しいのには、いくつか理由があります。
まず、この犬種はとても繊細で、環境の変化に敏感です。
例えば、ほんの少しトイレの場所を変えただけで、急に失敗するようになる子もいるんですよ。
物音や人の気配がすると落ち着いて排泄できないこともあり、飼い主にとっては些細な変化でも、ワンちゃんにとっては大きなストレスになっているのかもしれませんね。
そしてもう一つは、賢いがゆえに飼い主の様子をよく見ている点です。
一度でも「まあいいか」と失敗を許してしまうと、「ここではしても平気なんだ」とすぐに学習してしまいます。
ルールがあいまいになると、それがクセになってしまい、毎日の掃除と片付けに追われることに…。
こんなにトイレで悩まされるとは思わなかった、と感じてしまう飼い主さんが多いのも無理はないのです。
ポメラニアンは抜け毛が多すぎて掃除がつらい
ポメラニアンの魅力といえば、あのふわふわで豊かな毛並みですよね。
しかし、その魅力が、実際に一緒に暮らし始めると「飼うんじゃなかった」と感じる大きな原因に変わってしまうことがあります。
それは、想像を絶するほどの「抜け毛」です。
ポメラニアンは「ダブルコート」という二重構造の毛を持っています。
このため、特に春と秋の換毛期には、まるで家の中で雪が降っているかのように毛が舞い散ります。
掃除機をかけたそばから、もう床には白い毛が…。
黒い服なんて着ようものなら、ちょっと抱っこしただけで毛がびっしり。
お風呂上がりに体を拭いたタオルにまで毛がついていて、顔に付着してかゆくなってしまう、なんていうのも「あるある」ですよね。
この抜け毛問題は、ただ掃除が大変なだけではありません。
アレルギーを持つご家族がいれば、健康にまで影響を及ぼす可能性があります。
毎日掃除に追われる生活は、精神的にもかなりの負担です。
多くの飼い主さんが「こんなはずじゃなかった」と頭を抱えるポイントなんです。
ポメラニアンのしつけが難しい理由
「賢い犬種」と聞いていたのに、どうして言うことを聞いてくれないの?
ポメラニアンのしつけに悩み、「うちの子だけなの?」と不安になってしまう飼い主さんは少なくありません。
しかし、しつけが難しいと感じるのには、ポメラニアン特有の性格が関係しています。
一つは、賢い反面、頑固で気分屋な一面があることです。
例えば、しつけ教室でコマンドをすぐに覚えても、気分が乗らないと知らんぷり、なんてことも。
ワンちゃんなりのプライドがあるのかもしれませんね。
自分の意志がはっきりしているため、納得できないことには従わないという自己主張の強さがあるのです。
また、甘やかしてしまうと、その賢さを利用して飼い主をコントロールしようとします。
「吠えれば要求が通る」と一度学習してしまうと、その癖を直すのは大変です。
だからこそ、一貫した態度で接することが大切なのです。
歴代飼ってきた犬とは全く様子が違うことに戸惑い、自分の育て方が悪いのではないかと自分を責めてしまう…。
その気持ち、焦らなくても大丈夫ですよ。
まずは、ポメラニアンの気質を理解することから始めてみましょう。
ポメラニアンを飼うんじゃなかった…と後悔しないためにできること
ポメラニアンは留守番が苦手?分離不安への対処法
ポメラニアンは飼い主さんのことが大好きで、いつもそばにいたがる甘えん坊な性格です。
これは大きな魅力ですが、一方で一人でいることがとても苦手という面に繋がります。
少しの外出でも、飼い主さんの姿が見えなくなると強い不安を感じ、吠え続けたり、物を壊したりといった問題行動を起こすことがあります。
これを「分離不安」と呼びます。
実際に、帰宅したら部屋がめちゃくちゃになっていた…なんて話は、ポメラニアンの飼い主さんからよく聞く悩みの一つです。
出かけるたびにこんな状況が続くと、飼い主さんも心身ともに疲れてしまいますよね。
「こんなに手がかかるとは…」と感じるのも当然です。
しかし、これはワンちゃんがあなたを困らせようとしているわけではありません。
「置いていかれる」という不安からくる行動なのです。
この問題を解決するためには、少しずつ留守番に慣れさせてあげることが大切です。
まずは数分の外出から始め、徐々に時間を延ばしていきましょう。
「ここにいれば大丈夫」と思えるように、ケージやサークルにお気に入りのおもちゃや飼い主さんの匂いがついたタオルを置いてあげるのも効果的です。
出かけるときに大げさに声をかけず、そっと出ていくこともポイントですよ。
焦らず、少しずつ「留守番は怖くない」という成功体験を積ませてあげましょう。
ポメラニアンの病気と医療費、後悔しないための備え
元気いっぱいに走り回る姿を見ていると、ポメラニアンは病気やケガとは無縁に思えるかもしれません。
しかし、ポメラニアンは体が小さい分、骨折や脱臼をしやすかったり、特有の病気にかかりやすかったりする犬種です。
例えば、膝のお皿が外れてしまう「膝蓋骨脱臼(パテラ)」や、気管が潰れて呼吸が苦しくなる「気管虚脱」は、ポメラニアンに多い病気として知られています。
こうした病気やケガの治療には、想像以上にお金がかかります。
軽い咳だと思って病院へ行ったら、検査や薬代で数万円かかった、なんてことも決して珍しくありません。
手術となれば、数十万円単位の出費になることも。
「こんなにお金がかかるとは思わなかった」と後悔しないためには、事前の備えが何よりも大切です。
まず考えたいのが、ペット保険への加入です。
万が一のときに治療費の一部が補償されるだけで、金銭的な負担だけでなく、精神的な安心感が全く違います。
また、保険だけではカバーできない費用に備えて、毎月少しずつでも「犬用の貯金」をしておくことを強くおすすめします。
月3,000円でも、1年経てば36,000円です。
備えがあるかないかで、いざという時の選択肢が変わってきます。
大切な家族を守るために、お金の準備はしっかりしておきましょう。
ポメラニアンを外で飼うのはNG?知っておくべき飼い方
時々、「ポメラニアンは外で飼えますか?」という質問をいただくことがあります。
結論から言うと、ポメラニアンを外で飼うのは絶対にやめましょう。
その理由は、いくつかあります。
第一に、ポメラニアンは暑さにも寒さにも弱い犬種です。
ふわふわの毛皮を持っていますが、これは寒冷地の犬が祖先である名残。
しかし、長年室内で暮らすように改良されてきたため、現代のポメラニアンは日本の夏の猛暑や冬の厳しい寒さに耐えられる体を持っていません。
エアコンでの温度管理が必須であり、屋外での飼育は熱中症や低体温症のリスクが非常に高いのです。
第二に、骨が細く、とてもデリケートな体つきをしています。
屋外の硬い地面や予期せぬ段差は、骨折や脱臼といった大きなケガにつながる可能性があります。
また、社会性が高く寂しがり屋な性格なので、家族と離れた屋外で長時間過ごすことは、大きな精神的ストレスになります。
これが無駄吠えや問題行動の原因になることも少なくありません。
ポメラニアンは、家族の一員として室内で、安全で快適な環境を整えてあげることが大前提の飼い方になります。
ポメラニアンの多頭飼いに関する注意点
ポメラニアンを飼っていると、その可愛さから「もう一匹お迎えしたいな」と考えることがあるかもしれませんね。
ポメラニアンは明るく社交的な子も多いので、多頭飼いに向いている面もあります。
しかし、安易に決めてしまうと、「こんなはずじゃなかった」という新たな後悔につながる可能性があるので注意が必要です。
大切なのは、ポメラニアンの「気が強い」一面を理解しておくことです。
私の周りでも、ドッグランで他のワンちゃんに果敢に挑んでいって、飼い主さんをヒヤヒヤさせているポメちゃんがいましたよ。
自分より大きな相手にも物怖じしない性格なので、先住犬との相性が非常に重要になります。
お互いがストレスなく暮らせるか、慎重に見極める必要があります。
また、単純にお世話の手間が2倍以上になることも覚悟しなければなりません。
食事やトイレ、ブラッシングといった日々のお世話はもちろん、医療費やペットホテル代なども単純に倍になります。
飼い主さんの時間的、経済的な余裕はありますか?
何より、先住犬の気持ちを最優先に考えてあげてください。
新しい子を迎えることで、先住犬が寂しい思いをしたり、ストレスを感じたりしないか。
多頭飼いは、すべてのワンちゃんと飼い主さんが幸せになれることが大前提です。
【ポメラニアンを飼うんじゃなかった】まとめとポイント
- 可愛い見た目と現実とのギャップを理解する
- 甲高い鳴き声と無駄吠えへの覚悟が必要
- トイレのしつけは根気強く取り組むこと
- 大量の抜け毛は毎日のケアが不可欠
- 賢い反面、頑固な性格に合わせたしつけを
- 留守番が苦手な子の分離不安対策
- 小型犬特有の病気と医療費への備え
- 叱るより原因を探り、褒めて伸ばすこと
- 外飼いはNG、必ず室内で温度管理を
- 正しい知識と愛情で向き合うことが大切
この記事をここまで読んでくださったあなたは、ポメラニアンとの暮らしに真剣に向き合っている、とても愛情深い方だと思います。
「ポメラニアンを飼うんじゃなかった」という後悔の気持ちは、決してあなた一人だけが抱えているものではありません。
しかし、どんな悩みにも必ず解決の糸口はあります。
大切なのは、完璧を求めず、焦らないこと。
あなたのワンちゃんの個性とペースを尊重しながら、少しずつ信頼関係を築いていけば、その悩みはいつか「この子と出会えてよかった」というかけがえのない喜びに変わるはずです。